2025年3月26日

在宅医療で求められる役割

高齢者や病気の方にとって、病院に行くことは非常に大変なことです。寝たきりの方などは移動するだけでも多くの人の補佐と特殊な車などを要することになり、負担が大きいものです。

寝たきりではなかったとしても、病気で体がつらい状態では、歩いて移動することすら困難なケースもあります。特に慢性的な病気の場合はまめなフォローを受けることが必要となりますが、そのたびに患者さんが病院に行くのは大変な労力がいります。

そんな状況で患者さんが大変な思いをしないよう配慮されたサービスが、訪問医療です。医療従事者が患者さんの自宅に定期的に訪問し、診療を行います。訪問診療では、患者さんのプライベートゾーンに入ることになるため、不安を感じさせない細やかな配慮が要されます。

また、訪問診療以外に、患者さんからの突発的な要請に応じて医療従事者が駆けつける往診というサービスもあります。基本的には医師が診察をすることになるので、看護師はそのサポート役を果たすことになります。スムーズに診察が進められるよう、患者さんの病状や家族、環境などについて広く把握しておくことが求められます。

場合によっては患者さんだけではなく、家族とのコミュニケーションがいる場合もあるでしょう。対応に追われる医師がすべてを行うことは難しいため、看護師が積極的にこうした情報収集やコミュニケーションを取る意識を持つことが大事です。

また、常に同じ看護師が往診に行くとは限りません。その場合は、他の看護師に患者さんの情報がきちんと伝わるよう、気が付いたことをレポートに記録しておきましょう。そして、看護師のミーティングでしっかり情報共有するのも大切です。患者さんの実情を共有する体制ができれば、一人ひとりがより的確なケアを実施できるようになるでしょう。