看護師の仕事は、職場によって働く環境が大きく異なるものです。院外で働くものとしてまず思い浮かぶのが、在宅医療でしょう。医師の付き添いとして同行するものや、看護師とアシスタントだけが訪問してケアにあたるようなものなど、さまざまなパターンがあります。当然、院内に勤務する看護師とは仕事内容が変わってきます。
在宅医療の一つに、患者さんの要請に応じ、医師と看護師が自宅に訪問する往診があります。往診において看護師は、血圧や体温の測定などのバイタルチェックを任されることが多いため、測定の器具の携帯が必須です。医療機器が揃っていない患者さんの自宅で、できる限り病院と同じような診療ができるよう、看護師は正確に状況を把握し、準備しておく必要があります。
往診は、いわゆる想定外の急変における対応であるため、さまざまな知識、そして臨機応変な対応力が求められます。そこで培ったスキルは、緊急医療の現場はもちろん、災害医療といった場面でもしっかり活かされるでしょう。どんな環境でも最善の医療を施すことができる能力は、大きな武器になるはずです。
日本では、超高齢化の波がきており、高齢者の割合がどんどん高まっています。医療現場のひっ迫も深刻化しています。そんな中、自宅でケアをする在宅医療のニーズは右肩上がりであり、活動の幅が拡大していくことが予想されます。こうした医療業界の未来を見越して、在宅医療の経験を積んでおくことは、看護師として非常に賢い選択だと言えるでしょう。